「養」和食薬膳料理について

このツアーの中で皆さんに美味しく、身体に優しい食事を「和食薬膳」としてご提供いたします。
ここではそのメニューを特別に作っていただいたマクロビオティック・和食薬膳料理研究家の田口竜三氏をご紹介します。

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おもてなし薬膳料理について

中国から生まれた未病とは「未だ病にあらず」という状態を表します。そしてその言葉は、約2000年前の薬膳の基本となる書「黄帝内経素門」に書かれていています。
薬膳とはその書から生まれた「中医学」を基にした食養生法です。中医学とは「食薬同源」「食医同源」という考え方で、「食すなわち薬」を基本理念としています。
日常の食事の中で、健康維持、体質改善、病気治療を目的に、中医学に基づいて選んだ食材と中薬(日本では生薬)を使って調理します。
日本では平安時代の『医心方』で、食事による健康法も記されています。

近代では「食養」という言葉を提唱した明治時代の軍医である石塚左玄が、風土性と自然食を強調する食物養生法を縮めて「食養」と名づけ、食と養生の大切さを説きました。
その考えを現代に広めた「マクロビオティック」の創始者桜沢如一です。
このように、食と体の関係については昔から考えられ、実践の方法として生まれてきていますが、特に戦後欧米化が進み、肉や魚をなどを主食にした食事へと変化してきました。
現代は、その食事が見直され始め、健康的な食事へと移り変わり初め、アメリカを中心にビーガン、ベジタリアン、ローフードといった食事法が確立され、特にセレブを中心に広まっていきました。
マクロビオテックはマドンナやトムクルーズなどが実践されているようです。

そして、その健康指向から、寿司をはじめとする日本食も海外でブームになり、2013年 「和食」が世界で5番目の世界無形文化遺産に登録されました。

1、「美しさ、季節の表現」

日本料理は料理はもちろん器や盛りつけなどに関しても美しい見た目にこだわる点が高く評価されました。

2、「優れた栄養バランス」

良質なタンパク質を含む魚を中心として、動物性のものをほとんど使わないヘルシーな食文化も評価されています。

3、「新鮮な食材」

南北に長い日本では、全国でその時々に応じた新鮮な旬の食材を使った料理が存在します。

4、「行事との関わり」

お正月におせち料理を食べるなど日本食は年間行事と密接な関係を持っています。食文化が文化・コミュニティーの維持発展に貢献しているという点も高く評価されました。

また、日本の食の中で欠かせないのは味噌、醤油、などの発酵食品が評価されたとも言われています。
今回の「いにしえのみち」を歩く「温養道」現代版湯治プランではこの和食とマクロビオティックを基にした調理法で「和食薬膳」として考えたいと思います。

 

和食薬膳の考え方

  1. 野菜を中心にした料理
  2. 県西地区で収穫される食材を主に使用。
  3. 発酵食品など腸内環境を考えた料理。

1、マクロビオティックの料理法で調理された、野菜を中心にした料理です。

また、野菜に含まれる植物繊維の「水溶性食物繊維」は、大腸内で腸内細菌の“エサ”になり、細菌が働きやすい環境をつくります。
肉などの動物性の食事やデザートなどの砂糖の摂りすぎは悪玉菌を増やす結果となります。

2、食材は県西地区の農家などの生産者から食材を調達したいと思います。

野菜は、できるだけ農薬を使っていないオーガニックな野菜を生産している農家の方との連携を組み食材を調達いたします。神奈川の生協「やまゆり」と連携により食材調達いたします。

日本料理が高く評価されている要因のひとつ「器や盛り付けの美しさ」を実践するために、本事業で使用する器は県西地区の陶芸家などに制作依頼いたします。
以上、本事業が今後も県西地域に定着・継続していけるよう、食材調達と器の制作を通じて関係者とのコミュニケーションを密に図り、協力関係を構築していきたいと思います。

3、梅干しやお漬物など県西地区伝統的な食材を使用します。

蘇我梅干しや地物の手法を生かしたお漬物を提供いたします。

人により体質は異なり色んな方がいらっしゃいます。陽気な方、陰気な方、冷え性、のぼせ性の方など、ひとそれぞれです。
自分の体質や、日々の食生活、ライフスタイルなどをしり、食事を調え生活習慣を考える事がとても重要です。
本来はお1人ずつに対応する事が薬膳の考え方ではありますが、今回は代表的な料理をメニューにしていき、テーマでもある腸内環境に良い料理を提供していきます。

実施時期が9月と10月秋の五季は立秋から霜降りまでをいいます。秋のはじまりのはまだ夏の熱さが残っています、そして段々と朝晩が寒くなります。
五臓のうち、肺の機能が盛んになります。肺はデリケートで、滋潤(じじゅん)を好み、乾燥を嫌います。燥邪(そうじゃ)は肺にとって特に避けなければいけません。秋の薬膳は肺を潤し、温めることが重要です。

 

和食薬膳献立

田口竜三(たぐち たつみ)
1956年生れ、岡山県出身。コマーシャル制作会社、アパレル広告制作会社を経て採用PR制作会社に入社。
日本航空・全日空・三菱電機・本田技研などのコンセプトメーキング・デザインを手がける。同社から分社し、生協パルシステム(首都圏コープ連合)のディレクション・デザインを手がける。
生協のPRを手がけていく中、オーガニックで身体に負担のこない食事について模索していく時に、マクロビオティックと出会い、リマクッキングスクールの校長であった松本光司先生の 特別講座を集中的に受け、理論から料理の技術、おいしさに至るまで学び、食を追求している。2014年より「美味しくて、からだに優しい料理教室」を開講、出張料理・教室なども開催している。

美味しくて、からだに優しい料理教室 TEL:0465-64-1090
〒259-0312神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜681-3

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